イラストレーター maruikoさん「イラストレーターとして、テレワーク1本でやっていくまでの道のり」

このインタビューは2019年2月25日におこなわれました

まずは、自己紹介をお願いします

嘉麻市在住のイラストレーターです。シングルマザーで3歳の子どもが1人。自宅で仕事をしています。

以前は福岡市内の芸術系の短大に進んで、卒業後は、田川市にある現代美術ギャラリーに就職、2年間ほどギャラリースタッフをしていました。それと同時に、フリーランスのイラストレーターになりました。

その仕事をいったんやめてから、アルバイトをしたり旅に出たりしたあと、福岡市に出てアルバイトをしながらイラストレーターをしていました。その後、結婚、出産で、アルバイトは辞めましたが、イラストレーターは続けていました。そして、離婚と同時に、嘉麻市に戻ってきました。

あと、福岡市に出ていた2010年頃から、音楽活動も始めました。ウクレレの弾き語りで、いろんなところで歌っています。もともと吹奏楽部で、短大では軽音楽部でドラムを、そのあと田川のバンドでスカとかレゲエをサックスで吹いていました。それから、歌いたいな、と思うようになって、だったらウクレレ、と思ったので歌うようになりました。基本、1人で弾き語りです。カフェ、イベント、ライブハウスなど、呼ばれるところに出かけて行っています。

すでにイラストレーターとして仕事しておられたんですね。では、おしごとテラスkateteとの出会いは?

嘉麻市に戻ってきたのが2年前で、kateteがオープンしたのがちょうどその頃でした。katete設立のときのテレワークに関するシンポジウムで、声をかけていただきウクレレの弾き語りをしました。

そのとき、すでにイラストレーターとして仕事をしていましたが、フリーランスとして、テレワーク1本でやっていこうと腹をくくったときでした。ちょうど、以前の仕事で知り合った方がkateteのスタッフをされていて、その方に「フリーランスでやるなら、kateteにぜひ登録したらいいよ」と勧められすぐに登録しました。

それから、kateteをはじめ、いろんなところにも顔を出すようになって、おかげさまで仕事をいただき、今はフリーランスでやっています。

仕事を受けてから納品まで~iPadを使いこなして

具体的には、どういった仕事の依頼が多いですか?

イラストだけというよりは、デザインも含めたものが多いですね。イラスト中心のチラシやパンフレットなど。あと、HPのイラストの挿絵や、グッズのイラストなどもあります。

どうやって仕事を受けていますか?

kateteで受ける仕事もあれば、それ以外からもあります。katete以外からは、個人でされているお店などが多いですね。あと、行政からの依頼もあります。パンフレットやホームページのイラストなど。例えば、田川郡川崎町が出している「グルメマップ」というフリーの冊子の、1ページ分のイラストを丸ごと担当しました。

仕事を受けてから納品までの過程は、どんな感じですか?

依頼があったら、まずは実際にお会いして、どういうことを求めているかお話をうかがいます。それから、いったん持ち帰って見積もりを出して、OKが出たら作業開始です。まずは、ラフを描いて出します。

そのラフですが、少し前までは鉛筆で手描きしていました。今はiPadがあるので、さらっと書いて一案を出します。それでOKになることもあれば、何度か修正しながら見ていただいて仕上げていくこともあります。

iPadである程度作ってから、フォトショップでパス化して、イラストレーターに落とし込んで、色をつけて・・・という作業ですが、これは家のデスクトップPCでやっています。ノートPCがあれば最強なんですけどね。デスクトップだと移動ができないので・・・。ノートPC欲しいです。誰かくれないかな(笑)。

iPadを使い始めたのは、いつからですか?

つい先月です。それまでは、まず手描きして、トレース台で描いて、スキャンして、フォトショップで線をきれいにして・・・というやり方だったんですけど、時間がかかりすぎて大変で。これだと 仕事がこなせないので、効率化のために導入しました。

でも、今も探り探りやっているので、いいやり方を、いろいろ教えて欲しいと思っています。

仕事の依頼は、どうやって受けていますか?

営業はほとんどしてなくて。SNSは、インスタグラム、Facebook、ツイッターをやっていますが、なるべく1日1回はインスタグラムにアップするようにしています。それを見て依頼があることもあります。

あとは、ご縁を大事にすることを徹底していますね。

でも、営業にもいかないといけないかな、とも思っていますが。苦手なので、つい遠ざけてしまいますね。

ふだんはどこで仕事をしていますか?

主に自宅です。家でやっていて気分がのらないときには、iPadや紙を持って図書館に行ったり、カフェに行ったりします。

フリーランスで困ったことを、テレワークセンターがサポートしてくれる

今の仕事のスタイルで、良かったことは何ですか?

一番は、kateteでいろいろ勉強させてもらえることですね。フリーランスでやっている中でモヤモヤしていたことを、聞きまくって教えてもらったこともあるし、デザイナーさん向けの講習会を開いてもらって、そこでも勉強になったし。初めてチームでやる仕事も勉強になりました。

今までずっとフリーランスでやってきていたので、kateteのようなテレワークセンターに登録して本当に良かった、と思っています。

あとは、子どもが小さくても、パートに出て働くとかではなく、イラストレーターとして自宅で仕事をしながら、実績がつめるのはありがたいですね。

反対に困ったことはありますか?

子どもが病気になって保育園に行けなかったとき、自宅で見ながら仕事をしないといけなくて、ほんと大変でした。そのときは、日中に仕事ができないので、子どもが寝てから朝まで仕事をして。そんな生活が1週間続いたときは、きつかったですね。

あとは、フリーランスなので、全部自分で解決しないといけないことですね。仲間も上司も、カバーしてくれる人が誰もいないので。

将来はニューヨークと日本をつないで

これからやってみたいことは、どんなことですか?

できれば、デザインを含めたものではなくて、イラストだけの仕事でやっていきたいです。絵だけ描いていたい。今は、デザインも含めての仕事が多いですけどね。

中には、絵だけの依頼もあるんですよ。例えば、手描きでお祝いに似顔絵とか、子どもとか、おじいちゃんおばあちゃんとかですね。でも、実はそういうのはあまり得意じゃなくて(笑)。

得意なのは、挿絵や、雑誌のイラスト。そういうのが楽しいですね。イラストを描いておけば、あとはデザイナーさんが配置してくれるので、イラストだけに集中できるというのが好きです。

kateteでは、「田川市子育てマップ」のイラストも担当しましたが、描いている時間が本当に楽しかったですね。子どものインフルエンザと制作期間がかぶって、大変だったんですけどね。

その先の夢はありますか?

今の夢はニューヨークに住むことです。ニューヨークと日本をテレビ電話でつないで、仕事をします。ニューヨークと筑豊を行ったり来たりしてるかも。テレワークだから、それができますよね。

なぜニューヨークなんですか?

20代前半の頃に、田川で仕事をしているときに、嘉麻市にニューヨーカーの女の子が住んでいて、仲良くなりました。その子もイラストレーターになっていて、今、時々連絡をとっているので、その子に会いに行きたいし、もっと仲良くなりたいな、と思っています。

テレワークなら、どこにいても仕事できますよね

そうですね。といっても、今は、仕事の打ち合わせで会わないといけないことも多いですし、仕事によっては、1週間毎日打ち合わせということもありますが。

でも、打ち合わせは、電話でもメールでもいいですよね。ネットがつながる環境があれば。そしたら、海外にいてもどこにいても、気付かないですよね。

協力

おしごとテラス「katete(カテテ)」
Maruiko(イラストレーター・ウクレレ弾き語り)

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